ラピュタのムスカはその後どうなった?目が見えない謎と面白い裏設定をご紹介!

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“天空の城ラピュタ”はもともとムスカの野望の話だった!?

鈴木敏夫氏の著書『天才の思考』や『スタジオジブリ物語』によると、宮﨑駿監督の当初のシナリオは、ムスカの野望と挫折の話が主題だったという。

つまり、ムスカはそれだけ宮﨑監督の思い入れの強いキャラクターだったわけですね。

kumoさん

悪人なのに今でも人気が高いのは、監督が魅力的に描いた結果なのかも

そんなムスカですが、“天空の城ラピュタ”の劇中では、いくつかの謎があります。

ネットでは、その謎に対する考察やアンサーが多く見られるものの、確証のないものばかりで、本当かどうかわかりません。

そこで当記事では、ムスカの謎を徹底的に深堀りし、信憑性のある情報をお届けしたいと思います!

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もくじ

ラピュタのムスカのその後はどうなった?城崩壊&落下後の物語を調査

「天空の城ラピュタ」に登場するムスカの画像
© 1986 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

『天空の城ラピュタ』のその後に関するエピソードで確かなのは、

上記の3点となります。

ムスカはラピュタ崩壊で大海原へダイブ

ムスカの最期は、『天空の城ラピュタ』の劇中にしっかりと描かれています。

具体的には、バルスを唱えた後、崩壊するラピュタと共に海の藻屑となる結末です。

実際に、ラピュタ崩壊シーンの中には、ムスカが落下していく様が描かれています。

『天空の城ラピュタ』で、ムスカの落下シーンの絵コンテと本編の画像
© 1986 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

作画前の絵コンテの時点で、ムスカの落下が描かれていることから、この情報の信憑性は確か。

そして、大海原に放り出されたということは、ムスカの命が助かる見込みはないと考えられます。

宮﨑監督の絵コンテを読むと、漫画のように面白いだけでなく、細かい設定やト書きがあり、作品を深く知る鍵になりますよ。

ムスカの子孫が「未来少年コナン」のレプカとなる

ムスカの子孫がレプカであるとの情報は、公式の『天空の城ラピュタ (ロマンアルバム)』の中で、はっきりと言及されている事実。

年代を見ると、ラピュタの舞台が19世紀末(1868年以降~)で、未来少年コナンが2028年なので、レプカは約2世代後の子孫ということになります。

実際に、ファンサイト「ジブリのせかい」にある「ロマンアルバム」の画像を見ると、

「天空の城ラピュタ (ロマンアルバム)」内収録のムスカの設定
引用元:スタジオジブリ 非公式ファンサイト【ジブリのせかい】

上記のように、「レプカの先祖」と記載されています。

では、ムスカは海に沈んだはずなのに、どうやって子孫を残したのでしょうか。

その理由は、レプカはムスカの直系の子孫という意味ではなく、血統として受け継いだ者という意味だと考えられます。

yugiri

少ないとはいえ、ムスカの一族がいただろうから、本人の知らないところで血脈が受け継がれていたと考察できます

あるいは、単なる設定として「レプカの先祖」としただけなのかも。

その証拠に、ラピュタ制作の初期段階では、ムスカは「ルスカ大佐」として、レプカそっくりのキャラで描かれていたほど。
(参考:マーロンさんのXの投稿より)

いずれにせよ、ムスカが「レプカの先祖」という設定は公式の事実であるため、ラピュタの世界の後に、レプカが誕生したといえるでしょう。

ラピュタ崩壊後にパズーがシータに会いに行く

ラピュタ崩壊後のエピソードは、小説版『天空の城ラピュタ』〈後編〉(アニメージュ文庫)のラストに、記載されています。

内容は、ラピュタ崩壊後、パズーとシータがそれぞれの故郷に戻り、元の生活を送るなか、半年後に、シータがパズーからの手紙を受け取るというもの。

パズーの手紙の内容

  • 破壊された戦艦ゴリアテは、政府の嘘の情報で「長期改修中」にされた
  • タイガーモスらしき飛行船が、軍の給料を奪ったという新聞記事があった
  • パズーの作る鳥型飛行機「オーニソプター」が、金具を買えばすぐに完成する
  • 完成したら、シータの住むゴンドアの谷に必ず会いに行く

参考:小説 天空の城ラピュタ〈後篇〉 (アニメージュ文庫)

シータはパズーからの手紙を読んで、彼の到着を心待ちにしますが、小説では、パズーとシータの再会が描かれることなく、幕を閉じます。

ですが、宮﨑監督自身がその後の再会シーンとして、映画「天空の城ラピュタ」公開後にイラストを残されています。

そのイラストは、現在、「スタジオジブリ作品関連資料集〈1〉」に収録されています。

宮﨑監督自身の手によるパズーとシータの再会イラスト
徳間書店「スタジオジブリ作品関連資料集〈1〉」より

花束を持つパズーが、シータの家にやってくる場面を切り取った、印象的なイラストとなります。

こうした点から、「天空の城ラピュタ」のその後のエピソードとして、パズーがシータに会いに行く話は事実であることがわかります。

小説版『天空の城ラピュタ』は、映像とはまた違う角度から理解できる良さがあって、個人的におすすめですよ。

ラピュタでムスカの目が見ないor失明した謎を徹底調査!

映画『天空の城ラピュタ』の中で、気になる上位にあるのが、ムスカの失明の謎

絶対絶命のパズーとシータがバルスを唱えた後、溢れ出した飛行石の光は、ムスカだけでなく、二人の目にも届いたはず

それなのに、ムスカだけが「目がぁ、目がぁ」と言い、メガネが割れて大打撃を受けるのは、不思議ですよね?

世間の噂では、ムスカの弱視説やメガネの破片説、あるいは近親交配説がありますが、果たして本当なのでしょうか。

なぜパズーとシータは目が潰れなかったのか

『天空の城ラピュタ』のラストで、パズーとシータがバルスを唱えたシーン画像
© 1986 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

筆者が調査した結果、ムスカの目が見ない謎で、一番有力なのは、却下された演出案があったこと。

その演出のなかに、パズーとシータが飛行石の光を見ないで済むシーンがあり、ムスカの失明はその演出の名残なのだとか。

実際に、当時の制作スタッフだった木原浩勝の著書『もう一つの「バルス」』によると、

  • 飛行石を握ったシータの拳をパズーの手が包み、そのまま拳をムスカに向け突き出す
  • シータの手の甲にパズーの手が添えられ、ムスカにだけ飛行石を見せつけ「バルス!」を唱える
  • ラフコンテでは、ムスカに向かって、水戸黄門の印籠のように飛行石をかざす演出だった

参考:講談社『もう一つの「バルス」』より

上記のような記載があります。

つまり、当初は、ムスカにだけ飛行石の光を当てるシーンがあったわけですね。

ですが、何らかの事情でその演出がカットされ、現在のシーンに変更されたものの、ムスカの失明シーンだけはそのまま採用されたようです。

なので、ムスカの弱視説やメガネが割れた説や近親交配説は、全て正しくない可能性が高いといえます。

少なくとも、これらの噂は、公式では一切発表されていませんので、注意が必要です。

その点、却下された演出案の情報は、実際に制作に携わった人の証言なので、より信憑性が高いといえるでしょう。

『もう一つの「バルス」』は、天空の城ラピュタの制作の裏側を知れる貴重な記録となっているので、ジブリが好きな人なら楽しめると思います。

『天空の城ラピュタ』のその他の裏設定を教えて?

飛行石のアイデアは『砂漠の魔王』が原点

飛行石のアイデアは、福島鉄次という絵物語作家の『砂漠の魔王』(1949)の影響を受けている言われています。

実際に、宮﨑監督自身、小学生の頃に夢中になった作品として『砂漠の魔王』を上げているほど。
(参考:三鷹の森ジブリ美術館の情報より)

福島鉄次著の『砂漠の魔王』の書影
引用元:コミックナタリー

砂漠の魔王は、アラジンの魔法のランプのような話で、ボップ少年と探検家の父と姉の3人が、巨大な魔王とともに冒険をする物語。

その中に、手に持つと空を飛べる宝石の話があり、宮﨑監督はそこから着想を得たと話しています。
(参考:ジブリの教科書2「天空の城ラピュタ」[文春ジブリ文庫]より)

『砂漠の魔王』は、2012年に秋田書店から復刻版が予約限定商品として出版され、現在、中古市場で購入可能です。

ロボット兵は『やぶにらみの暴君』『スーパーマン』のオマージュ

ラピュタに登場する「ロボット兵」は、TVシリーズのルパン三世に登場する「ラムダ」と「シグマ」に似ている点は、ご存じの方も多いと思います。

それらの巨大ロボットの原点とされているのが、

  • フランス長編アニメ『やぶにらみの暴君』(1952)のロボット
  • アメリカのアニメシリーズ『スーパーマン』(1941年~)のロボット

上記の2作品の影響を色濃く受けているとされています。

映画「やぶにらみの暴君」のロボットの画像
引用元:Xユーザーの田川 滋さんの投稿より
アメリカのTVアニメ『スーパーマン』に登場するロボットの画像
引用元:Xユーザーのソビヱツクさんの投稿より

スーパーマンのロボットは「謎の現金強奪ロボット」という回に登場し、プロペラの位置だけでなくストーリー自体も、ルパンのラムダと共通点が多いです。

『やぶにらみの暴君』やフライシャー兄弟の作品は、宮﨑監督や高畑勲監督が、たびたびお気に入りに挙げています。

興味のある方は、ぜひ元ネタの作品も見てみてください。

ムスカの本名は「偽物」の意味?

ムスカの本名は、筆者の考察では、「」と「分家」という2種類の解釈が考えられます。

ムスカの本当の名は、作中でも公言する通り、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ

一方で、シータは、リュシータ・トエル・ウル・ラピュタです。

語句の説明は、ムスカが言うように、「ウル」が王で、「トエル」が真の意。

そこから、シータの本当の名前はラピュタ王家の真の継承者シータ、という意味になります。
(「ロムスカ」の(ロ)や、「リュシータ」の(リュ)は、定冠詞の一部だと考えられ、意味はないと考えられます)

では、ムスカの名にある「パロ」とは何を意味するのか。

一説によると、パロはギリシア語の「para」が語源ではないかと言われています。

paraは、para(擬似)+ōidē(歌)で、パロディ(模倣作品=偽物)の意になります。
(参考:コトバンク

また、paraは接頭語として、「~の側に、~の近くに」といった意味もあります。
(参考:para-|ウィクショナリー日本語版

この意味で捉えると、パロは「トエル家(本家)の傍にいる王家分家という解釈にもなります。

以上のように、確証はありませんが、筆者の意見では、ムスカの本当の名前は、

  • ラピュタ王家の偽の継承者ムスカ
  • ラピュタ王家の分家出身者ムスカ

上記二つの解釈が可能なのではないか、と思います。

まとめ

今回は、『天空の城ラピュタ』のムスカの話を中心に、深堀りさせていただきました。

ムスカの目が見えなくなった理由は、飛行石の光を直視したために失明したと考えるのが一番有力です。

一方で、パズーとシータの目が大丈夫だったのは、当初の演出プランで、光を見ずにムスカに飛行石を見せるシーンがあったから。

結局、当初のプランは採用されませんでしたが、ムスカの失明シーンだけが残されたというのが、一番しっくりくる真実だといえます。

こうした謎解きをしながら、本作を鑑賞するのも、また違った良さがあり、良いですよね。

何度観ても色あせない作品だからこそ、こうした楽しみ方ができると思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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